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ハワイ語会話 その11 「練習その3/Ha’awina ekolu/Lesson Three」

北鎌倉ハワイアンセンター

2012年9月2日|森下 茂男

ハワイ語会話も11回を数え、実践編も練習その3となり、そろそろ本気で予習・復習をしないとついていけないほど、本格的な会話となっていきます。今回は、過去・現在・未来形の話し方などを練習していきます。前回、「一日のはじまりは夜から!?」でも書いたように、古代ハワイの人たちは細かな時間の経過はさほど気にしていなかったので、会話では、「何をしていたの?」も、「何をするの?」も、また「何をしているの?」という過去・現在・未来形の質問はすべて同じでした。相手は、それまでの会話の成り行きで答える必要があったわけです。答え方にしても、明確な過去・現在・未来形が分かれていなかったようで、キャプテン・クック以降にやってきた宣教師たちによってハワイ語の文法のなかで過去・現在・未来形が作り上げられています。特に、現在形の言い方は宣教師によって決められたと、ハワイ語の先生は教えてくれました。

過去形、現在形、未来形

さて、文法の「過去形、現在形、未来形」について、今回の練習会話のなかで話を進めていきましょう。まず、会話の中で登場するのが、「Ua hele `oe i kāu hana i kēia lā?/今日、あんたは仕事に行ったの?」という過去形の質問です。質問は、過去形、現在形、未来形は同じと書きましたが、この質問は、「Ua hele」と、動詞に過去形の「Ua」がついているので、「行ったのか?」、または「行かなかったのか?」という過去形で会話のなかでも質問となります。答えはこの場合、肯定か否定形になります。「A`ole, No ka mea, Ua kipa mai ana, Ko`u mau hoa hele i ka pū nei, A, Ua `ai mākou apau loa i ka mea`ai Hawai`i, A mau mā`ona mākau./いいや、(仕事には行っていないよ。)昨日は友だちが家にきていて、ハワイ料理をたらふく食べたんだよ」。

次の質問では「He aha kou hana pinehi nei?/昨日は何をしていたんだい?」という「過去形、現在形、未来形」の会話が出てきました。この場合、「pinehi nei/昨日」という時間表記によって、過去形の質問であることが分かります。もちろん答えも、「Ua mālie kō mākou hale i ka pō nei/昨晩はみんな家でゆっくり過ごしていたよ。」というように、会話は過去形になるわけです。

次の会話の中で「He aha kō lāua hana i kēia manawa/彼らは今、何をしているんだい?」という質問がありました。これもまた「kēia manawa/今」という時間表記によって現在形の質問であることが分かります。そして、それに対する答えが「E hele ana lāua i kalihi,/彼らはこれからカリヒに行くんだよ」という未来形で答えています。

過去形、現在形、未来形の質問と答え方

Uaの使い方

過去形としてのUa以外にも、Uaにはいくつかの異なった意味があります。Uaもまた重要なハワイ語の単語の一つなので使い方を覚えましょう。

名詞として

雨、雨が降る、雨の?、雨降りの? Ua loa:長雨 Ua poko:通り雨
例:Ua kinai lehua o Pana-`ewa.「パナ・エヴァの雨はレフアの花をいやす」
kinai:消す、いやす lehua:`ōhi`a(オーヒ・ア)の木に咲く花

名詞の先にくる指示詞として(neiまたはlāが後に続く)

例:Ua `āina lā.「話をしたその場所です」
lā:この場合のlāは一般指示形容詞、その、あの(Ua kānaka lā:前述したその人)

過去形としてのUa

そして、過去形としてのUaですが、前述した項目をもう一度読み返してください。

時間表記

さて、過去形、現在形、未来形の会話のなかで重要になってくるのが時間表記です。前回もお話したように、古代ハワイ社会では一日は夜からはじまりました。たとえば、明日をさすハワイ語「`apōpō」は夜という単語「pō」が2回重なって明日になりますが、明日になるには夜が2回必要でした。このように、ハワイ語会話における過去形、現在形、未来形の使い方もさらに複雑になってきます。また、一週間という単位や曜日などは古代ハワイ社会では使われていませんでした。このような言い方は宣教師たちによって作られた単語、いわゆるハワイにおける外来語となるわけです。このように、宣教師たちによって持ち込まれたハワイ語英語はたくさんあり、たとえば、祈るを意味する「pule/プレ」は、英語の「Pray=祈る」からきています。また、ハワイ語の「pule/プレ」には、「週」という意味もありますが、これも日曜日に教会へ通うキリスト教の習慣から名付けられています。今まで計画するという概念がなかった古代ハワイの人々にとって、これはまさしくカルチャー・ショックそのものだったのです。

数字

一週間の読み方で数字が出てきましたので、最後にハワイ語の数字を取り上げましょう。数字をよく見ていただくと、ハワイ語の数字にはひとつの方式があることが分かってきます。たとえば、11からは「umi」、また21からは「iwakalua」というように同じ言葉が接頭語のように必ずついてきます。こうしてみると、古代ハワイ社会では数字の11以上を会話の中で使っていたかどうか、はなはだ疑問です。たぶん、数えるということに関しては、指の本数分だけだったのではないでしょうか。というのは、11は「umi kumakahi/ウミ・クマカヒ」といいます。よく、お風呂で100数えたらあがっていいとお母さんに言われた経験があると思いますが、ハワイ語で100数えたら本当にのぼせてしまいますね(笑)。記録言語を持たなかった古代ハワイの人々は、時間に対しても数字に対しても鷹揚だったに違いありません。機会があれば、ペトログリフ(陰刻画)に残っている古代ハワイ社会で使われていた数字の記号についてお話しましょう。

また、40を超えるとまた1から10まで数えて、50という数え方もありました。50は、40+10、ハワイ語で「kanaha me ka umi/40と10」と数えました。

10000以上の数字は、「ナロワレ(nalowale)=消失した、忘れた」と呼んでいたそうです。いずれにせよ、古代のハワイの人たちにとって、数を数えることは大変な作業だったことが、このことからも想像できます。

次回、ハワイ語会話その12では、「カウの季節とホ・オイロの季節」と呼んでいたハワイの季節と月の呼び方をお話しましょう。

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