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福富書房

かえる。

第1部 地底人現る – その13。第1部最終回。

小説「鎌倉の怪人」

2013年1月8日|松宮 宏

男女和合の壁画

闇に祐子の声が遠ざかる。富五郎の頭にはテニス男に笑顔を向ける祐子の絵が浮かんだ。こんな時に思うのはこんな事なのか? 死ぬ瞬間には人生でいちばん悔しかったことを思うのか? 人生とは、しょせん後悔ばかりなのか?

俺は地獄へ落ちる・・・蜘蛛の巣にこころをからめ取られたような、何とも居心地の悪い気分だったが、そのとき突然感触が変わった。湯気のかたまりのようなものが尻を持ち上げ、雲に乗ったようにからだが浮いたのである。

何なんだ? 地獄だと思ったが、ひょっとして天国? 富五郎はそのまま、漂うようにゆれながらに地底に降り立った。

しかしそこは天国ではなかった。
「手前ぇらぁ、いい加減にしろってぇんだ」

野太い声が闇に爆発し、富五郎は横腹を足蹴にされた。間髪入れず首根っこを掴まれ、空中につり上げられた。すごい力だ。息ができない。

死んでしまう。天国でも地獄でもない。これは現実だ。

富五郎は必死で両手両腕を振りまわし、何とか逃れて地べたへ落ちた。

しかしそこへまた蹴りが来た。

富五郎は闇の地べたをやみくもに這い、声を絞り出した。
「ち、ちょっと、待って!」

富五郎の声が壁に反響し、残響がおさまると殺気も消えた。

富五郎が吐く荒い息の向こうに淡い光がともり、光の中に小学生が現れた。

そして横にはカモノタダユキが立っていたのである。

富五郎は口をぽかんと開き、闇に固まってしまった。

カモノタダユキは言った。
「富五郎ではないか」

長身でのっぺりとした長い顔。ちりちりの髪に太い眉。細い目、耳たぶが妙に長い。作務衣のような服を纏っている。
「よく来たの」
「カ、カモノタダユキさん」

カモノタダユキが顔を富五郎に寄せた。
「空から落ちてきよってからに、どこぞのならず者かと思うではないか」
「・・・」

苦笑いする表情は仏陀のようだ。カモノタダユキは富五郎の両脇に腕を差し込み、よいしょと座らせた。
「ケガはないか」
「ケ、ケガ・・」

富五郎はからだをまさぐった。暗くてよく見えないが、これといって痛めた節もなさそうだ。富五郎は首をさすりながら眼を凝らした。岩肌一面の洞窟に材木が散らばっている。小学生はなにやら忙しく立ち働いている。割れた木や太い縄のようなものを一カ所に集めているようだ。
「鎌倉の森は湿っておるんじゃ。木々も自らの重みで斜面の土を崩してしまうことがある。柏槇の根元もゆるい地盤じゃからして」カモノタダユキは上空を仰いだ。「これからも誰か落ちるじゃろう。開発業者の地盤調査とかで元々ゆるい土壌がぼろぼろなんじゃ。しかし富五郎。だいたいあんな場所で何をしておったのじゃ。逢い引きか?」

逢い引き・・ではないが、富五郎は思い出した。このカモノタダユキに会いに、祐子と朝から待っていたのだ。

富五郎は背を起こし、息を吸い込んで言った。
「カモノタダユキさん?」
「なんじゃ」
「やっぱり、カモノタダユキさんですか?」
「そうじゃが」
「駅の横で掃除をしていたら穴が開いて『おい』って呼ばれて中を覗いたら中にいるカモノタダユキさんで?」
「ごちゃごちゃ言わぬともそうじゃ」
「このカモノタダユキさんは、あの、現物で」

富五郎は手を伸ばしてカモノタダユキに触れた。確かに、存在がそこにある。
「現物とはなにを言やがる」
「いや、ま、その」

富五郎は手を引っ込めながら言った。
「開発業者とか地盤調査とか、まるでこの世で起こっているようなお話ですが、だいたい、いったいここはどこです?」
「善応寺ガ谷じゃ」
「善応寺ガ谷? あの世ではない」
「何を迷うておるか。八雲神社の真下じゃ」

そういえばそうである。神社の森から墜落したのだ。
「谷(やつ)の胴体とでも思えばよい」
「どうたい?」
「どうたい」
「・・・?」

カモノタダユキはだじゃれを言ったらしかったが、富五郎の脳は夢とうつつ、天国と地獄の間を彷徨っている。しかし、しゃれが聞こえなかったと思ったのか、カモノタダユキは繰り返し言った。
「どうたい、は九州弁じゃ」
「・・・」
「少しは笑え」
「な、何を笑うのですか?」
「雅のわからぬ男であるの。そんなことであるから、祐子をものにできないのだ」

祐子の話は鬼門である。いかなる状況でも頭がくらくらする。
「ははははあ、目が覚めたか。祐子の話は毎度の気付けくすりじゃ」
「・・いや、そんな」

たよりない相づちをうってしまった自分を情けないと思いながらも、富五郎は我に返った。帰らねばならない。祐子は必死で叫んでいた。

しかし八雲の下といえ、どうやって帰ればいい。

目が慣れてくるといろいろなものが見えてきた。富五郎が落ちたらしい地上の穴まで足場が組まれている。ロープが垂れ下がり、地面に転がった板の両端にくくりつけられている。単なる地の底ではない。工事現場のようだ。
「あの、質問が」

カモノタダユキは黙っている。
「ここは何かの現場ですか? 垂れ下がるのは縄ばしごか何か・・」
「そうじゃ。縄ばしごに滑車と板で座席を作ってある。お前はあれに引っかかって、うまいこと降りたのよ」

墜落の途中、からだが浮いたように感じたのはそういう事だったのか・・
「われもあれで地上から降りるんじゃが、壊れてしもうたではないか。修繕せんとならん」
「修繕って・・」

富五郎は言った。
「あれで地上から降りて、ここへ来ているということですか? それは植木屋さんのお仕事で? いや、前からぜひともお聞きしようと思っていたのですが、何でまた地下でお仕事を・・?? 本当は何をしていらっしゃる?? この小学生はどこの子??」
「そうぽんぽんと聞くな。ま、そうだの・・」カモノタダユキは一呼吸置いて言った。「そろそろかの」
「そろそろって、何です?」
「そろそろ説明をせねばならぬか、という事よ」
「説明? 何の説明ですか? ひょっとして動いた柏槇とか、葉っぱのこどもとか」
「ま、全部じゃ」
「え〜〜、そうなんですか!」
「本日暮れ六つ、好古亭を訪ねて参れ」
「好古亭・・」
「知っておるか?」
「知るも知らないも、好古亭と言えば八雲の森の高級料理旅館じゃないですか。庭なら小林さんのお邸か好古亭というほどの日本庭園でしょう。それに客筋がおそろしい」
「おそろしい? 聞き捨てならぬ言いようじゃの」
「い、いや、おそろしいじゃなくて、えー、おどろおどろしい」
「何を言やがる」
「い、いや、映画監督の小津安二郎さんとか鎌倉文士なる芸術家達がたむろする文化サロンでしょ。大佛次郎先生とかノーベル賞の川端康成先生とか」
「よく知っておるではないか」
「いや、そりゃ、近所に住んでおりますので。しかし、カモノタダユキさんこそ、どうして好古亭を?」
「ま、そういう事も含めて語って進ぜよう。ついでにカツレツでも喰って帰れ」
「好古亭のカツレツですか!!!」

富五郎の声は大音響となって洞窟を振るわせ、縄ばしごも左右に揺れた。
「こら、耳がつぶれるわ。たいそうな」

カモノタダユキは平然と言ったが、好古亭のカツレツと聞いて驚かない庶民はいない。

好古亭は数寄屋づくりの和風建築に鎌倉石の崖を背負った庭園も有名な旅館で、料理も神奈川県一と評判の懐石である。板長は京都吉兆で修行を積んだ職人で、鎌倉へ来てからは関西にはない山海の珍味を出すことでさらに名を上げた。集う客も味にはうるさく、店が客を育て客がまた板前を育てる・・そうやって好古亭の味は進化を続けているのであるが、実はこのカツレツ、うるさがたの客からの要望なのである。昭和40年頃からはじまったカツレツブームは、森重久弥の「カツレツ一代」という映画の大ヒットでさらに火が付いて、昭和44年のニッポン・・・どこもかしこもカツレツなのである。

好古亭さえも流行にあやかったのではあるが、そこは一流料亭、板長は極上の霜降りサーロインを惜しげもなく使い、銀座の煉瓦亭を超えたと評判の味に仕上げたのである。

そういうカツレツであるからして、好古亭のカツレツは400円である。月給2万円程度の駅員には手が届きようもない夢のメニューだ。富五郎などの庶民が食べるカツレツなど肉屋の店頭で揚げていて、せいぜい一枚30円、メシと汁をつけて50円の時代だ。富五郎は好古亭に行ったこともなく、400円のカツレツなど幻の景色である。食べたことはもちろん見たことさえもない。未来永劫、出会う予定もない。

カモノタダユキが言った。
「何か問題か? 富五郎にはしち面倒くさい懐石なんぞより、庶民のカツレツで良かろう、と思うたが」
「もちろん・・ありがくいただきます」
「そうか、喰ってくれるか」
「喰うも喰わないも・・」
「なに? 喰わないとな?」
「いえ、喰います、喰います」
「2度も繰り返して言わずともよい。それと」

カモノタダユキは言った。
「祐子も連れてくるがよい」
「また祐子ですか」
「何が、またじゃ。しち面倒くさい男じゃ。そんなことだからおなごひとりをものにできない」
「・・わかっておりますが、もう、いいです」

小さな声に沈んだ富五郎をカモノタダユキはじっと見ていたが、「皆が心配しておるであろう。ほれ、こいつを連れて行け」と言った。

小学生である。
「壁画の間が出口じゃ。外界に呼びかけるがよい。助けの手が差し伸べられるであろう」
「壁画?」
「そうじゃ、壁画じゃ。太古の昔からつづく、男女の結びつきをあらわす和合の絵じゃ」
「わごう?」
「描かれしは切り立つ魔羅(マラ)と迎える女陰(ホト)。とくとながめて参れ」

助けの手? 壁画? わごう? マラとホト???

ああ、・・何から何まで不明だ。
「では、のちほど。暮れ六つに待つ」
「暮れ六つって・・もし・・」

カモノタダユキは闇に溶けた。

消えた・・

魔法か? はしごで下りるとか妙に現実的な事も言ったが、手品のように消えたではないか。

小学生がじっと立っている。

富五郎は姿勢を低くして言った。
「き、君が案内してくれるの?」

小学生は無言のまま振り向いて歩き出した。小さなからだが放つ淡い光だけが道しるべだ。見失えば闇に残されてしまう。
「ま、待ってよ」

富五郎は追った。

案内と言っても八雲神社の下なら出口はすぐのはず。富五郎はそう思ったが、歩き出すと道の次に道、穴また穴である。からだの小さな小学生は苦もなく抜けるが、ケツのでかい富五郎はひと苦労である。からだをねじこんでやっと抜けられる穴を三度くぐり抜けると、今度は身長より高い岩場が現れた。小学生は立ったまま垂直の壁を歩きだした。

富五郎はあんぐり口を開けたが
「シキガミだからな。元は木の葉なんだろう」

気にしても仕方がない。富五郎は両手の指を岩の隙間に引っかけてからだを持ち上げ、足場を岩の隙間に確保しながら登り切った。

闇に岩場を降りるのは危なっかしかったが、小学生が放つ光が進む道を照らすのだ。富五郎はなんとか降りた。
「ねえ、君。まだ遠いの?」

小学生は黙っている。
「八雲の下なら、線路の横だろ。どこまで行くの」

小学生は答えない。
「ねえ、君。名前は・・・? いや、わかった。もういいよ。木の葉だから喋らないんだよね。そりゃそうだ」
「カズオだよ」
「ん?」

小学生が言った。
「カズオ??」

小学生を包む光が岩肌一面に広がりはじめた。小学生は光の輪の中心にいたが存在が次第に薄れそして消えた。

そして、小学生が残した光の中に壁画が現れたのである。

ふたりの男女がもつれ合っている。柔らかな墨絵だ。

そして、一糸まとわぬ姿で描かれた女性は、紛れもなく祐子だったのである。

富五郎は息を詰めて絵を見た。

その時、あの気分がやって来た。眠っているようで、意識が心とは別の領域に行ったような、夢を見る自分を観察するもうひとりの自分がいる気分だ。

光が揺れている。よく見ると揺れているのは絵だ。いや違う。描かれた祐子が揺れている。そして絵は実体になり、祐子はゆらゆら揺れながら両の手を絵の中から出した。足を出し、頭、そして胴体。そこに生身の祐子が現れたのである。

気がつけば、富五郎の前にさまざまな人々が現れていた。陽気な男に恥じらう女。ともに歌い、踊り、酒を飲み、雑多な音を奏でている。だれもが富五郎と祐子に手をさしのべ、声をかけ、遠くの者はひゅいひゅいと指笛を吹いて、はやし立てる。

祐子が言った。
「とみにいちゃん」
「・・・」
「とみにいちゃん、助かったのね」

祐子は堰を切ったように泣き出し、富五郎の胸に飛び込んだ。
「も、もう、どうなったかと思った。死んだりしたら、わたし、生きていけない・・」

祐子が激しく富五郎の胸を叩く。眼球から涙が滝のように吹き出し、地面に池を作り始めた。

取り巻く人間達は弦をかき鳴らし、笛を吹き、両手両足を振り回して踊る。

そして何人かの人間が、同じ方向に手を差し出した。
「ほれ、ほれ、早う」

どうもそちらへ行けということらしい。

人々の輪はますます大きく、はやし立てる声は空間を飛び交う。

ひときわ大きな声が響く。
「結べや、結べ。男女和合じゃ」

祐子が笑みを浮かべた。ふたりははやしたてる群れをかいくぐるように歩き、人々が指し示す穴へ入り込んだ。

完全な闇。人間達の奏でる音もかき消えた。まるで何もなかったかのように。

祐子の姿も闇に見えないが、熱い体温がそばにある。
「・・こっちへ来て」

祐子が富五郎の背中に手を回した。

静寂に祐子の喘ぐ息が熱い。富五郎は祐子の上にゆっくりと重なった。

定めに導かれるように富五郎は一心不乱に動き、そして祐子の中で果てたのである。

洞窟の端では、おしゃぶき神が楓の葉を振りながら「それ行け」とはやし立てていた。

ガタガタと岩を叩く音がする。富五郎は闇に寝転がっている。

目覚めると闇に現実的な音が入り込んでいる。人の声もまじっているようだ。
「お〜い、富五郎、そこにいるのか? 返事をしてくれ!」

ガタガタ、ガンガン、岩を叩く音。

その時わずかに光が差した。外から叩く衝撃で穴が開いたらしい。

差し込む光が洞窟の粗い岩肌を照らした。

荒々しい鎌倉石の壁である。富五郎は飛び起きた。

夢だったのか? 祐子はどこだ?

和合の絵はあとかたもない。

壁の向こうに人の気配がする。立ち上がって穴から外をうかがうと、大勢の人間がたかっていた。

富五郎は穴に口をつけて言った。
「お〜いい、ここにいるぞ〜」

一瞬の静寂の後、男女混じった歓声が沸いた。
「おい、トミ、大丈夫か!」

男性の太い声。大谷さんだ。

富五郎はふたたび穴に口をつけて言った。
「大丈夫だぞう〜!」

大谷さんが言った。
「よし、中側にはまっている石を動かせば開く。外からたたき割るのはたいへんだからな。富五郎、中側で手掛かりを探してくれ」
「鍵って、ここはどこなんですか?」
「好好洞のトンネルじゃ。祐子が、一度一緒に入ったことがあると言うておる。お前もその場所を覚えておるだろ。中から出て、蓋をした場所だ」

そうか、あそこか。
「これを使え」

穴から懐中電灯が差し入れられた。

光を這わしていくと周囲を切り抜いたような石が壁に嵌っている。富五郎は壁を押してみた。しかし、びくともしない。
「これは・・・動きそうもないな」

富五郎はまるい石の周辺を探りはじめた。すると、石の上部あたりに荒縄が出ているのが見えた。富五郎は懐中電灯を岩の隙間にはさみ、そこに光が当たるように固定した。そして荒縄を引いてみた。おや、動きそうな気配がある。富五郎は「よし」と気合いを込め両手で引いた。富五郎の体重が縄にかかると土埃が上がり、富五郎は丸い石ごと後ろへひっくり返ったのである。

明るい光がいっせいに差し込んだ。

富五郎の網膜はフラッシュバックして何も見えない。しかし声はしっかりと聞こえた。富五郎はしらけた光の中で手足を動かし、声と光に顔を向けた。

何人もの人間が入ってきた。富五郎は何本もの無骨な手で抱き起こされ、大丈夫か、ケガはないかの声にも包まれた。富五郎の瞳孔が光に慣れてきた。目をこすり、「だいじょうぶ」と言いかけたとき、祐子が富五郎の胸に飛び込んできたのである。

祐子は声を上げて泣きはじめた。

富五郎の視界に色が戻ってきた。しかし頭は逆に真っ白になった。

ここにも祐子? さっきのも祐子?

胸には熱い祐子の体温がある。

祐子は泣きじゃり、拳で富五郎の胸を叩いている。富五郎の両手のひらはあてもなく空中を遊んだ。

白衣の千石住職が笑っている。

どうしたらいいのだ?

無理やり口を開いて、富五郎は言った。
「住職さん、あのお・・カレーできてます? もう、腹が減っちゃって」
「できておるとも」

千石は大きくうなづいた。
「腕によりをかけておいたでの」

祐子がゆっくり顔を上げた。その顔は涙でぼろぼろだったが、切れ長の瞳に天使の笑みがあった。
「そうね、カレーだったわよね」

なんでもいい。

幸せ満開だ。

狼男は消え去った。富五郎はやっぱりそんなことを考えてしまった。

鎌倉の怪人 第1部「怪人現る」 完

挿絵:
ちょんまげ/作家
鎌倉市出身

世の中であたりまえの「答え」に疑問を持ち「問い」も「答え」も自分で出せるアートの道を志す。現在は線の描写に夢中。
東京芸術大学在学中

展示
2013
“ShinPA”(おぶせミュージアム、佐藤美術館)
“Namiken”(新生堂)

2012
“ERCO meets Wa-sabi”ERCO Lighting Japan Ltd協賛(ERCO Office Gallery)
“波濤の会”(愛知松坂屋、上野松坂屋、九州井筒屋)

2011
“進級展”(東京芸術大学)

2010
“三年展”(東京芸術大学)

2009
“閾ープロジェクト”/インスタレーション(旧坂本小学校)
“Bat-a-I”/パフォーマンス(東京芸術劇場)

2008
“Art path2008″(取手)

 

 

今号を持ちまして「鎌倉の怪人 第1部」完となります。
富五郎の行く末は?裕子との恋は?カモノタダユキとは?
小説「鎌倉の怪人」は引き続き第2部へと続いていきます。

現在第2部は鋭意執筆中です。
近日中に公開方法、公開時期など「福富書房」サイトにて告知させて頂きます。

まずはあらすじ。

第2部 「鎌倉の空」 あらすじ

引き続き昭和44年のニッポン。
第32回衆議院議員選挙で圧勝した自民党は「列島改造」を合い言葉に日本を土建国家へと推進し、鎌倉の谷(やつ)にも杭を打ち始める。
善応寺ガ谷も非合法のまま極秘開発が進み生臭い事件も頻発する。
祐子と富五郎は偶然裏取引を知ってしまったため殺し屋に命を狙われるが、そこにカモノタダユキが立ちはだかるのであった。
老舗料理旅館「好古亭」を訪れた富五郎は、主人の板尾源三朗がカモノタダユキとうり二つであると知る。源三朗は「好古亭」に寄宿する昭和の文豪川端康成とともに怪しい動きを繰り返す。

板尾源三朗は平安時代の陰陽師、賀茂一族の末裔であるのか?
川端はすべての謎を知るのか?
鎌倉の怪人カモノタダユキとは、いったい何者なのであろうか?
富五郎は祐子への恋心を胸に、駅員としての日常をひたむきに生きるが
祐子は富五郎に懐妊したことを告げるのであった。

富五郎は複雑怪奇な出来事を真正面に受けながら、二十歳の青春を走り抜ける。
天にはいつも鎌倉の空がある。

ご期待ください。(福富書房拝)

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