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かえる。

簡単なハワイ語会話・練習その8 「ホ・オポノポノ」

北鎌倉ハワイアンセンター

2012年6月13日|森下 茂男

前回、前々回とハワイ語会話の実践編を書きましたが、少し難しいという声も聞かれましたので、今回はコーヒ・ブレイク。実践編はお休みにして、古代ハワイ社会の生活の様子、「ホ・オポノポノ」についてお話をしましょう。

古代ハワイ社会でもまた、よりよい人間関係を築くことはとても重要なテーマでした。ファーストネームで呼びあうことや、兄弟やいとこでも年上か年下かによって呼び方を変えていたり、また、同じ私たち(主格の複数形)という言い方でも、自分を含む(発言者)私たちと、自分を含まない私たちと、言い方が異なっていました。このように、古代ハワイの人たちは、会話のなかでいかに相手の気持ちを考え、人とのよりよい付き合い方に神経を注いでいたかが分かる気がします。

ホ・オポノポノ(Ho`oponopono)というハワイ語もまた、人間関係を大切にしていた古代ハワイ社会ならではの言葉でした。
古代ハワイの人たちは、人と人は生まれながらおへそとおへそが見えない糸で結ばれていると信じられていて、けんかをしてしまったとかお互いの関係が悪くなってしまったのは、その糸が絡まってしまっているからだと考えていました。この絡まった糸をほどく作業がホ・オポノポノでした。

ちょっと話しは横にそれますが、古代ハワイ社会で「人」を指すハワイ語は「カナカ(Kanaka)」といいました。彼らは、「カナカ=ハワイアン」だけが「人、人間」だと考えてきましたが、1779年、イギリス人の探検家、キャプテン・クック(1728?1779)がハワイ島に上陸してはじめて、ハワイの人たちは「カナカ」以外に人間がいることを知りました。こうして、それ以降、カナカというハワイ語はハワイ民族を指す言葉になりました。また、長い航海をさす言葉、ハーロア・ロア(Hāloa Loa)は人種を指す言葉だったそうです。ハワイの人たちの祖先は、長い航海を経てハワイ諸島にたどり着いたということが、ハワイ語のなかでも表現されていました。ちなみに現在、人種を指すハワイ語はラーフイ(Lāhui)といいます。

さて、ホ・オポノポノという言葉を簡単に説明しますと、接頭詞であるホ・オ(Ho`o)に、「整然としている」という意味のポノポノ(Ponopono)が合わさったハワイ語です。接頭詞のホ・オ(Ho`o)はとても重要なハワイ語で、ハワイ語辞書によりますと使役動詞または擬態派生語の能動の形とされています。つまり、 ホ・オポノポノ(Ho`oponopono)は、「整然とさせる」、「修復させる」という「動作・作業」を指しています。ちなみに、ポノ(Pono)は正しいというハワイ語で、ホ・オポノ(Ho`opono)は公正なとか正しく振る舞うという意味になります。

それでは、古代ハワイ社会では、絡まってしまった人間関係の糸をどうやってほどいていたのでしょうか。彼らは、人間関係がこじれてしまった人や気まずくなった人と海に浸かり(Bathing)ながらたわいもない話をしたり、連れ立ってサーフィンに出かけ、関係を修復し仲直りしていたそうです。古代ハワイの人たちは、夕方になると毎日のようにバシング(Bathing)という海水浴で日中のほてった体を冷やし、汗を洗い流しながらおしゃべりをして、日が暮れるまで2?3時間ほど海に浸かっていました。海は人の心を癒し、海を共有することにより一体感を持つことができたのです。ホ・オポノポノには、このように洗い清めるという意味もあります。

人と人との関係を最も大事にしていた古代ハワイの人たちは、海でサーフィンをしたり海水浴をすることにより絡まった糸をほどいていました。海や大自然と共生していた彼らの生活の知恵のひとつがホ・オポノポノだったのです。

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