福富書房

かえる。

福富書房について

旅の話はおもしろい。

これまでも遥か彼方の辺境の地から便りが届いていたけれど、3年半ぶりにほぼ地球を一周して二人は旅から帰ってきた。旅はどんなに細かく計画を立てても思いどうりにはいかない。迷ったり、乗り遅れたり、今日の宿を探すのだってそう簡単ではない。
旅の間ずっと続けてきた日記と写真がある。人生と同じで人それぞれの旅があるけれど、この世界旅行もなかなかどうして面白い。
海に沈む夕日をカモメたちと眺め、渚に打ち寄せる波は今日の疲れを洗い流してくれる。瞬間の重なりが生きるリズムになって身体に刻まれる。
「本のカタチにしたいね」
手触りのいい紙に少しインクの匂いがするような、静かな夜にそっと開きたくなるような旅の本。旅のみやげ話を聞いた時、福富書房での最初のプロジェクトが始まりました。

日本では若者があまり旅に出なくなったそうです。出版界は年々売り上げを落としています。
街には放射能の雨が降り、自ら命を絶つ人が年間3万人を超える現実。
今ほんとうに必要なのは人生のサクセスよりも生存を賭けたサバイバル術かも知れません。
旅の経験にはきっとそれがあると思います。予期せぬ偶然を楽しみ、自分の力で歩いて行く道程が旅というものだから。

北鎌倉の駅を出て細い道をしばらく歩いた所に福富書房はあります。振り返ると、小津が愛した風景が今もそのままに残っています。
昼時には料理を作ります。旅の途上で食した世界各地のエキゾチックな料理をひとつひとつ再現しています。チョコレートソースとチキンを合わせるメキシコの「モーレネグロ」、ひよこ豆がおいしいエジプトの庶民的料理「コシャリ」、ブラジルのお菓子「タピオカクレープ」、日本でもおなじみのインドのスナック「サモサ」などなど。
豪華な料理はないけれど、旅の途上の暑さ寒さを癒し、空腹を救ってくれたストリートフードや街の食堂の味。
旅は「腹が減っては戦は出来ぬ」と「おいしいのものが食べたい」のせめぎ合い、旅を楽しむためのサバイバル術がそれぞれのレシピに凝縮されています。

見知らぬ人に受けた旅の恩義は、これから旅立つ人に返す。
時も旅人、すれ違う人もまた旅人、「月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也(奥の細道)」。

このようにして北鎌倉の山の麓にスタッフが集まり、日々制作を続けています。
基本の構えは「自分たちのチカラでやってみよう!」。旅と料理、クラフトや骨董、先人の技から継続のチカラを学び、新たなイノベーションの可能性を探っています。

禅のマスターは言いました。「雲もなく 指月の指の その先に」。
月を指差す師の指を見るのではなく、月そのものをとらえなさい。
福富書房は鎌倉五山「円覚寺」の足下にあります。

スタッフ

福富 弘人

アートディレクター
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増田 浩

アートディレクター
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